ご自宅で安心:遠隔医療で受けられる主な診察内容と病気
遠隔医療で受けられる主な診察内容とは
ご自宅や慣れた場所から医師の診察を受けられる遠隔医療は、通院の負担を減らし、日々の生活にゆとりをもたらす新しい選択肢として注目されています。しかし、「実際にどのような症状や病気のときに利用できるのだろうか」と、具体的な内容について疑問をお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。
ここでは、遠隔医療で主にどのような診察が受けられるのか、具体的にご説明いたします。
遠隔医療で特に利用しやすい診察の例
遠隔医療は、すべての病気や症状に対応できるわけではありませんが、以下のようなケースで特にその利便性を発揮します。
-
慢性疾患の定期的な診察 高血圧症、糖尿病、脂質異常症など、長期にわたる治療が必要な慢性疾患の定期的な診察や経過観察に適しています。症状が安定しており、医師が処方薬の調整や生活習慣のアドバイスを主に行う場合に、ご自宅から継続して診察を受けられます。
-
アレルギー疾患や皮膚疾患 花粉症やアトピー性皮膚炎など、症状が比較的安定しているアレルギー疾患や、軽度の皮膚トラブルの相談に利用されることがあります。ビデオ通話を通じて症状の様子を伝えることで、医師が状態を確認し、適切なアドバイスや処方を行うことができます。
-
風邪などの比較的軽度な急性疾患 発熱、咳、鼻水といった風邪の症状や、胃腸の調子が悪いなどの軽度な急性疾患の場合にも、遠隔医療での診察が可能です。医師が画面越しに状態を確認し、問診を通じて診断を行います。
-
専門医への相談やセカンドオピニオン 特定の分野の専門医に相談したい場合や、別の医師の意見を聞きたい(セカンドオピニオン)場合にも、遠隔医療が活用されることがあります。遠方にある専門医療機関の医師の診察も受けやすくなります。
-
精神科・心療内科の診察 精神的な不調やストレスに関する相談、うつ病や不安障害などの治療において、定期的な診察やカウンセリングが遠隔で行われるケースが増えています。通院の負担軽減は、心のケアにおいても大切な要素です。
-
服薬指導や健康相談 薬の飲み方や副作用に関する説明、生活習慣病予防のための健康相談など、病気に関する指導やアドバイスも遠隔で行うことができます。
遠隔医療で対応が難しいケースについて
一方で、遠隔医療が万能ではないことも理解しておくことが重要です。以下のような場合は、対面での診察が必要となることがあります。
- 緊急性の高い症状: 胸の痛み、意識の混濁、激しい腹痛など、すぐに処置が必要な緊急性の高い症状の場合は、迷わず救急車を呼ぶか、速やかに医療機関を受診してください。
- 精密な検査や触診が必要な場合: 血液検査、レントゲン撮影、内視鏡検査、また医師による直接の触診などが必要な場合は、遠隔医療では対応できません。
- 初めての診察や対面での確認が推奨される場合: 医療機関によっては、患者様の状態をより正確に把握するため、初診は対面を推奨している場合があります。
- 高度な医療機器が必要な場合: 特殊な機器を用いた診断や治療が必要な場合は、対面での受診が不可欠です。
遠隔医療を安心して利用するために
遠隔医療は、厚生労働省のガイドラインに基づき、安全かつ適切に実施されています。利用にあたっては、以下の点にご留意ください。
- かかりつけ医や医療機関に相談する: 遠隔医療を検討する際は、まずはかかりつけ医や利用したい医療機関に相談し、ご自身の症状や状態が遠隔医療の対象となるか確認することが大切です。
- 利用する医療機関の情報を確認する: どのような診療科が遠隔医療を提供しているか、費用や予約方法、必要な準備物などを事前に確認しておくと安心です。
- 通信環境を整える: 安定したインターネット回線と、スマートフォンやパソコンなどのデバイスがあれば、ご自宅からでもスムーズに診察を受けられます。
遠隔医療は、私たちの健康を守る選択肢を広げ、より安心で便利な医療の提供に貢献しています。ご自身の状況に合わせて、賢く活用することを検討してみてはいかがでしょうか。